DO-Sでは2010年にDO-Sシャンプー&トリートメントを発売開始し、その後どこのメーカーでも作ってくれなかった本当のアルカリ除去をするために酸度が高くてpHは弱酸性のDO-Sアシッドを制作しました。当初はこのDO-SシャントリとDO-Sアシッドだけを作っていたのですよね…
当時書いてた「場末のパーマ屋の美容師日記」というブログ名の通り筆者が得意としてたパーマで美容専門誌のパーマや縮毛矯正の特集とかにも出演するようになりオリジナルのパーマ剤を作るようになったんですね。
筆者の開発する商品はパーマ液でも縮毛矯正の薬でもすべて「すっぴん髪理論」で出来ているのですが… 今回はその中でもパーマ剤を紹介しようと思います。
DO-Sが目指すパーマとは?
昭和〜平成の最初の頃までは多くのお客さんが美容室でパーマをかけていました… でも現在では年配の方ぐらいしかパーマなんてしない!ってサロンも増えてます。
なぜパーマをかけるお客さんが減少したのか? 日本パーマネントウェーブ液工業組合の調査によると、美容師さん達は「髪が傷むから」「流行ではなくなった」などと考えてるけど…
実際のお客さんがパーマをしなくなった理由には「手入れが大変だから」がダントツの1位で「おばさん臭くなる」「すぐに取れてわからなかった」などの意見が多かったそうです。
このギャップがお客さん達が『パーマ離れ』してる原因ですね。
おばさん臭いってのは年代や個人の趣味やセンス的なものもあるのでここでは考えないで…
確かにほとんどの美容メーカーさんや美容師さんは色々な処理剤や薬剤を使い、髪が傷まない (ダメージレス・ノンダメージ)パーマやダメージを少なくするパーマばかり考えてます。
でもね… パーマ人気を復活させるには… DO-Sが目指してるのは…
手入れが簡単 で 長持ちするパーマ なのです!
今回は、そんなDO-S式パーマで使用する薬剤や処理剤を紹介していきます。
DO-S式パーマの前処理
PPTやケラチンなどの一般的な前処理剤は実際はつけたからってダメージ軽減もしないし、1液の化学反応の邪魔をするのでかかりがゆるくなり、持ちも悪くなります。それでもちゃんとかけようとするとどうしても強い1液反応をしないといけないので逆にダメージは多くなります。
DO-S式パーマの前処理では一般的なダメージ部分につけるようなPPTや保護剤は一切使用しません!薬剤浸透を良くするために髪を整えるシャンプー&トリートメントのみです。
画像左は「DO-Sプレ&アフターシャンプー」
パーマ・縮毛矯正の還元剤 または酸化染料を使用するヘアカラー剤のキューティクル層の薬剤浸透をアップする特殊成分を配合した専用のシャンプーです。施術直後のアフターシャンプーで使えば酸化強化やカラーの定着にも効果が期待できます。
右の二つは定番の薬剤の浸透を良くする「DO-Sシャンプー&トリートメント」
ヘアサロンで働く美容師が作ったすっぴん髪・素髪シャンプー&トリートメント
すっぴん髪・素髪ヘアケア!ダメージヘアが変わる!現場で起きる事実♪
パーマの前処理として使用するなら
硬毛、太い毛、健康毛などでパーマがかかりにくい方は「DO-Sプレ&アフターシャンプー」
普通毛〜軽いダメージ毛の方は「DO-Sシャンプーのみ」
猫っ毛さん〜ダメージ毛で絡みやすい方は「DO-Sシャンプー後にDO-Sトリートメント」
こんな感じで使用します。
DO-S式パーマの1液(還元剤)
最近のパーマの1液にはダメージを感じさせないためにシルクPPTやカチオン系ポリマー・シリコンなど手触りを良くするための皮膜や感触向上成分が多く含まれています。
ただこういう感触向上成分は1液の反応の邪魔をするので、同じような強さにかけようとするとアルカリを高くしたり還元剤を増やしたりなど、余計に薬をきつくしないといけません。
感触向上成分で妨害 → その分薬をきつくする = めんどくさいだけで結果は同じ(汗)
DO-Sのパーマ1液にはこのような皮膜や感触向上成分を使っていないので、アルカリを低くしたりして薬をゆるく(優しく)しても同じような強さでパーマがかかるのです。
DO-Sは薬剤反応の妨害をしない = 優しい薬でもちゃんとかかりやすい!
DO-Sのパーマ1液にはみんながすぐ使える昔ながらの定番のチオ(チオグリコール酸)のみと、プリンとしたカールでかかりやすいシステアミンとチオの混合タイプの2種類があります。
昔っからパーマといえばコレ!チオグリコール酸のパーマ液
今日から簡単に使える「DO-Sチオローション」シリーズ
写真左から
- DO-Sチオローション7.4=チオ6%・pH7.4、アルカリ度1.6ml、カール力20
- DO-Sチオローション8.5=チオ6%・pH8.5、アルカリ度3.7ml、カール力60
- DO-Sチオローション9.2=チオ6%・pH9.2、アルカリ度6.7ml、カール力90
プリンとした弾力のあるしっかりカール!
システアミンベースの「DO-SカールL」シリーズ
写真左から
- DO-SカールL7=シスアミ4%・チオ2%・pH7.3、アルカリ度0.3ml、カール力30
- DO-SカールL8=シスアミ4%・チオ2%・pH8.3、アルカリ度2.7ml、カール力70
- DO-SカールL9=シスアミ4%・チオ2%・pH9.0、アルカリ度7.ml、カール力100
【簡単】パーマ1剤のスペックを理解しよう!
※チオ=チオグリコール酸、シスアミ=システアミンという髪のS-S結合を切るパーマ1液の元である還元剤の種類のことです。6%とか4%というのはその還元剤の濃度(濃さ)です。
※pH(ピーエイチ)は酸性やアルカリ性の数値、アルカリ度というのはアルカリの強さを示します。
※パーマ1液は、還元剤濃度が濃いほど強く、pH・アルカリ度が高くなるほど強くなります。
※カール力とは?薬機法で還元剤濃度やpH・アルカリ度には上限が決められています、その数値で一番強いパーマ液のカール力を100として大まかにカール力を示した数値です。
※シスアミは昔から定番のチオと比べると… アルカリが低くても反応が良いのでしっかりかかる、髪の表面部分でかかるのでプリンとしたしっかりカールが出やすいというメリットがあります。
※シスアミのデメリットとしては髪質によっては独特の匂いが残留して臭い場合があります。
他社さんのパーマ1剤でも大体ソフト、ノーマル、ハードとか3種類ぐらいは強さの違う商品があるのですが、ほとんどの場合pH9前後の高いままで還元剤濃度の違いで強さを変えています。
でもDO-Sの商品は還元剤濃度は同じで、pHやアルカリ度の違いで強さを変えるようにしてます。これにより処理剤を使わなくても、美容師さんが計算しやすくて失敗しにくい薬になるのです。
DO-S式パーマで変わった中間処理
昭和や〜平成のはじめ頃のパーマから一番変わった事ってなんだかわかりますか?
当時、多くの方はパーマをかけてから10日間ぐらいで少しウェーブダウンした!
1週間ほどでほとんど取れちゃたりして…んで取れないようにパーマかけたてはクリンクリンのおばちゃんパーマになって、若い子達はこれでパーマ離れしていったとも言われています(涙)
パーマをかけてから1〜2週間でウェーブダウンしちゃう原因の一番は…
パーマ工程の2剤の前にアシッド剤や中間処理剤をつける事です!
簡単に説明すると、パーマというのは1液で髪のシスチン結合(S-S結合)を切って、形を変えて2液でその状態で再結合させて固定するのですが…
パーマ1液で切れた状態のシスチン(S)にアシッド剤等をつけるとそいつが切れてるシスチンにくっついてしまい2液でS-Sの再結合の邪魔をしてしまうのです。
昔のパーマではこのアシッド剤などの中間処理剤をつけていたので再結合が未完全なためかけたての1〜2週間でかなりウェーブダウンしちゃったのです。
だから… DO-S式のパーマでは中間処理は一切しません!
パーマでの中間水洗の意味とは?
パーマが登場した当初は2液前にシャンプー台で中間水洗をしていましたが、昭和の終わりぐらいに中間水洗はしないでアシッド剤をつけて中和するようになりました。
そして平成になり「クリープパーマ」が登場し、また中間水洗をするようになったのです。
クリープパーマでは、1剤後中間水洗しパーマ液を流して 還元を止めてから 加温・加湿して放置することでしっかりとパーマをかけるようになったんですね。
ところが…
2014年頃だったかな〜筆者は美容専門誌「マルセル」のパーマ特集記事を制作してる時に日本のケラチン研究の第一人者である群馬大学工学部の元教授で多くの特許や論文をお持ちの新井幸三先生とパーマについて議論してた時に衝撃の言葉を聞きました…
「中間水洗してもイオン化してない還元剤はそう簡単には流れませんよ!」
そう美容師さんたちは長年ずっと中間水洗で還元剤が流れて1液の作用がストップすると思い込んでいたけど、それは間違いだった…
それどころか、新井先生によると中間水洗するとイオン化された還元剤(チオの場合はジチオ)は流れるので残った還元剤がイオン化され髪を還元するので(難しいので気にしなくてもいいです)中間水洗をするとパーマは より強くかかっていきます…
中間水洗は還元を止めるのではなく 還元を促進するのです!
DO-S式パーマの2液(酸化剤)
最近の2液にはダメージを感じさせないため皮膜等の感触向上成分が配合されている商品があります。すっぴん髪理論で作られているDO-Sの商品は当然このような成分は入れてません。
DO-S式のパーマでの主流の2液は「DO-Sオキシ1.5」
↓
過酸化水素1.5%、pH3.0、酸化力約1.8(120mL使用時)
基本はたっぷり塗布で5分間×2回放置でアルカリで働きやすいオキシ2液を推奨しています。
DO-S式パーマの後処理
処理剤や皮膜入りパーマ液での複雑な仕事は辞め、シンプルにその髪質・ダメージに合わせてもっとも適したパーマ剤で無理や無駄をしないでパーマをかける!これがDO-Sの基本的な考え方。
パーマの後処理ではその後のダメージを左右する残留薬品の除去を徹底してます。
まずはS-S再結合の2液処置が終了しロッドアウトしたらまずは「DO-Sアシッド」とオキシの2液使用の場合は「DO-S OX-ゼロ」を使用します。
↓
写真左は、pH5程度で酸度が80mlという奇跡のアシッド剤「DO-Sアシッド」です。
詳しくはコチラ↓
写真右は、2剤でオキシを使用したら残留オキシを除去するための「DO-S OX-ゼロ」です。
これらの処理剤でアルカリを中和し、オキシ成分をがっちり掴んだら、前処理剤と同じようにシャンプーでそれらの残留成分を除去しましょう!
通常は「DO-Sシャンプー」で洗って「DO-Sトリートメント」で仕上げ下さい。
※よくアシッド剤だけでアルカリ除去が出来ると勘違いしてる人もいますが、アシッド剤はアルカリを中和してるだけなので… 除去するのはシャンプーの仕事ですから必ずシャンプーしてください。
理美容師限定のDO-S業務用商品の購入方法
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DO-Sにはマニアックな商品もあります
パーマの前処理剤はシャントリのみで、1液もチオだけのシリーズとシスアミ&チオのミックスタイプの2種類だけ、中間処理なんて水だけだし、2液もオキシ1本のみ… 後処理は残留薬物除去を重要視し、アルカリとオキシの中和剤とちゃんと落とせるDO-Sシャントリ!
文章は長いけど薬剤の種類は少ないです(笑)
現在のパーマなら実際はこれだけで十分だとは思うのですが… 美容師さんの中にはかなりマニアックな職人タイプの人もいてね… ま〜筆者もそういう美容師だった訳なんですが…(汗)
ですので DO-Sにはマニアックなパーマ剤関連商品もありますので一応紹介しときます。
DO-S GMT
グリセリンモノチオグリコレート濃度約66.6%、pH3.4程度
酸性領域でもある程度還元力のある還元剤です。DO-Sですと中性タイプのカールL7、チオローション7.4や縮毛矯正ならSC-7などに3~8%程度添加して還元力を上げるような使い方をお勧めしています。
チオグリコール酸だとアルカリが低くなり中性ぐらいになると還元力がすごく落ちちゃうのですが、GMTはpHが低くなっても還元力があまり落ちないという特徴があり、例えば、弱酸性〜中性の1剤の場合ならチオ10%のものより、チオ5%、GMT5%のほうが還元力が強くなりやすいということです。
実際の施術事例だと、猫っ毛のカラー毛の方でアルカリの薬剤だと危険性が高いので中性の還元剤を使いたい時があったとして… でもカールL7だけだとアルカリの危険性は無いけど還元力が弱いという場合にGMTの適量添加して中性のまま還元力を上げてあげようと思う時とかに使用する感じです。
弱酸性〜微アルカリ領域だとチオグリコール酸濃度を上げてもさほど還元力は上がらないけど、GMTならチオよりは還元力が上がりやすいと考えてください。
※pHが高い(アルカリ性)の場合は昔ながらのチオのほうが計算しやすいです。
DO-S TGS 7
チオグリセリン7%、 pH7の還元剤です。感作性が高くカブれやすいので頭皮につかない縮毛矯正での使用が多いです。
DO-S カールL5
チオグリコール酸2%、pH5。ダメージ毛のかかりムラに前処理として使います。
DO-S 応力緩和水
pH9、アルカリ度1.4mlのアルカリ水。pHを落とさず還元剤を薄めたり、中間処理で還元増進に。
DO-S P-SET
pH9、アルカリ度2.8mlの特殊アルカリ水。DO-S応力緩和水の強力版でシスアミ減臭効果も。
DO-S R-STOP
ジチオジグリコール酸3%、pH7.2でジチオを増やすことで還元をストップします。
DO-S ブロム3
臭素酸ナトリウム3%、pH8のパーマ2液。イオン吸着を防ぐ特殊添加物配合。
DO-Sブロム6
臭素酸ナトリウム3%、pH8のパーマ2液。pH8のアルカリ性ってのがミソです。
これらはマニアックな商品ですので使用方法がわかる美容師さんのみ使用してくださいね。