アルカリ性の縮毛矯正剤でかけると特有の硬さはある仕上がりになりますが、ダメージレスな酸性縮毛矯正ならダメージ毛でもしなやかで柔らかい質感でツヤサラストレートになります。
スピエラ・GMTの弱酸性ストレートパーマなら髪を傷めず柔らかい感じに仕上がります。
多くの理美容師さんや縮毛矯正をかけてる一般の方でも
- 酸性〜弱酸性=ダメージが少ない=柔らかい質感でツヤサラ
- アルカリ性=ダメージが多い=ゴワゴワで硬い質感に仕上がる
このように思ってる人は多いです。
アルカリ性なら髪が硬く、酸性なら柔らかく仕上がるのは本当なのでしょうか?
アルカリ矯正特有の硬さが気になる時があります…
DO-Sの縮毛矯正剤の特徴は【低アルカリ高還元剤濃度の1剤】です。薬剤スペックでいうと例えば最近はヘアカラー毛が標準になるので8レベルの普通毛のリタッチならpH8.5〜8.9程度、チオ濃度11%ぐらいとか、少し軟毛や細毛になるとpH8.0〜8.6、チオ濃度10%前後ぐらいが基準ですね。
自社調査の結果、ほとんどのメーカーさんの縮毛矯正はソフトやノーマルタイプでもpH9~9.5ぐらいのアルカリ性の製品が多かったので、かなり低アルカリの薬剤になっています。
そんなDO-Sの縮毛矯正剤を使用してくれてる美容師さんから質問を頂きました。
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こんにちは♪いつも勉強させてもらってます!
質問なのですが、いつもドエスさんの薬剤を使って縮毛矯正してるのですが、アルカリ矯正特有の硬さが気になる時があります。
よくみる酸性縮毛矯正とかだと、しなやかになるとありますが、ドエスさんの記事を読んで、デメリットも理解してるつもりなのであまり使いたくなく、、
ドエスさんの薬剤でしなやかに柔らかくしようとすると、どんなお薬を使うとかコツとか何かありますでしょうか?
よろしくお願い致します^ ^
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ふむふむ・・・
まずね… 毛髪化学的に言えば、アルカリ=軟化=柔らかくなる だし、酸性=収斂=硬くなる なんだよね。
だから本来は、アルカリ性のほうが髪は軟化して柔らかく感じるし、酸性だとギシギシして硬く感じるハズだね。
本質的には縮毛矯正で髪が硬く感じるとか、しなやかで柔らかく感じるとかは、薬剤がアルカリ性や酸性とはあんまり関係ないよ!
その証拠に美容師歴の長い人ならわかるとおもうけど、例えば昔のパーマ液なんかだと定番のチオでかけるよりアルカリの高いシスでかけたほうが柔らかい質感でかかったし、もっとアルカリの強いサルファイトなんて化粧品登録で髪が傷まないで柔らかい感じでかかる!ってのが宣伝文句だったからね。
あとこれもパーマでの例えになるけど、昔は中間水洗しないで2剤前にアシッド処理をしてた頃があったんだけど、あれでS-S再結合の邪魔をしちゃってたんだよね、、、でもあの時ほとんどの美容師さんは2剤前に酸リンスで中和するとしなやかで柔らかい感じでダメージが少なくかかるって思い込んでいたんだからね。
例えば、酸性の縮毛矯正がしなやかで柔らかい質感に仕上がる原因としては
- よくみる酸性矯正とかは尿素などの髪を柔らかくしたり保湿効果のある成分や被膜成分が沢山使われている。
- スピエラやGMTは髪の内部まで還元しやすいので髪の芯までダメージさせてケラチンを破壊してしまう。
- pHが酸性の場合は水抜きアイロンしても過還元になりにくいし、硬化もしにくい。
- 2剤でS-S再結合が不十分で切れっぱなしのシステインが沢山あり柔らかく感じる。
- 酸化不足の防止で高濃度の2剤使用を使用した場合はシステイン酸が沢山できてシスチンが減少しダメージしてる。
そして、アルカリ性の縮毛矯正剤で髪が硬く感じる場合の原因としては
- 尿素などの軟化保湿成分があまり使われていない(DO-Sには尿素なんて入ってもいません)
- アルカリカラーなどをしている方がアルカリの高い薬剤でハイダメージしてしまいゴワゴワになってしまった。
- ランチオニン結合が多く出来て、ゴワゴワで硬く感じるようになった。
- アルカリ残留してる上に水抜きor高温アイロンの過還元と炭化で乾燥しすぎて髪が硬くなってしまった。
- 2剤の反応が良好なのでS-S再結合が多く出来て髪にハリが出てしっかりして硬く感じる。
どちらにしても、良い事or悪い事と…色々と考えられる原因があるにはあるんだけど、両方ともその中でもダントツで1番の原因は…
【結局最後のカチオン】尿素や保湿剤・被膜成分・乳化剤などの影響で、硬くなったり柔らかくなったりツヤサラになるって事だと思われます。
実際、仕上がりの質感で手触りや見た目で感じるのは、カチオン系の被膜成分がほとんどでね、酸性にしろアルカリ性にしろ絶対に髪を傷めるストレートパーマや縮毛矯正をして、ダメージ修復効果などの良い意味で髪がしなやかになったり柔らかくなったりする理屈がある筈ないからね。
DO-S縮毛矯正剤はすっぴん髪理論で出来てます。
DO-Sの低アルカリ高還元剤濃度の縮毛矯正剤は『すっぴん髪理論』がベースになってるので、ポリマーやシリコンなどの強い被膜成分も使用してないし、髪の毛を溶かしちゃう尿素などの髪を柔らかくして保湿効果のある成分も配合されてないんだ。
だから例えば、軟毛とか猫っ毛の方などはハリが損なわれないとか被膜でべったりしなくて良かったりするケースもあるけど、ほとんどの場合は その人のそもそも髪質やダメージ具合なりの、そのままの質感で仕上がる感じだね。
だから君の感じる↓
>いつもドエスさんの薬剤を使って縮毛矯正してるのですが、アルカリ矯正特有の硬さが気になる時があります。
これはきっと、DO-Sの薬剤がアルカリ性だからじゃなくて、すっぴん髪理論で出来てる薬剤だからだと思うよ。
そもそもDO-Sの縮毛矯正は平成の初め頃に流行った、特殊ポリマーで強力コーティングをしてツヤサラにする縮毛矯正でのヘアダメージを少なくするために作ったもんだからね。
当時流行り始めだったブラシでのブローやストレートアイロン工程の入ったストレートパーマ(現在の縮毛矯正)は柔らかい質感でツヤピカになりダメージレスで出来るってのが売りでね。
『トリートメントで癖毛が伸びてツヤサラストレートヘアに!』ってのがよ〜く宣伝されて街中にはストレートパーマ専門店なんかも出来てたんだよね。
当時の薬剤なんてバリバリに高い普通のアルカリ性だったけど、硬くて太い癖毛の方でもしなやかで柔らかい質感で仕上がるって評判だったんだ(笑)そうこの頃のストパーなんて強いアルカリ性でも柔らかくてツヤサラになってたんだよね!
しかし、1〜2年も経過したら、強力な表面コート(被膜)のせいで施術直後はサラサラだった髪も、残留アルカリやシステイン酸などの影響やキューティクル損傷などで後々ボロボロのダメージ毛になる人が続出…
柔らかくてノンダメージで出来る筈のアルカリ縮毛矯正はいつのまにか美容室メニューの中でも1、2ろ争うヘアダメージの多いメニューになっちゃった(汗)
例えば、ポリマー系縮毛矯正はした時はツヤサラでダメージ感もないけど、数ヶ月後はかなり傷むけど、すっぴん髪縮毛矯正は施術直後は硬く感じる場合もあるが、DO-Sシャントリで残留薬品などを除去して素髪ヘアケアを継続してれば1ヶ月ほどで硬さも取れる場合が多くないかな?
DO-Sの薬剤でしなやかに柔らかくするには?
>ドエスさんの薬剤でしなやかに柔らかくしようとすると、どんなお薬を使うとかコツとか何かありますでしょうか?
この質問に答えるとね…
例えば、髪を柔らかくするのに一番手っ取り早い方法は、縮毛矯正剤や施術後のトリートメントなどに 尿素 を少し混ぜてあげる。(尿素はドラックストアでも売ってます)
ただし、尿素っていうのはタンパク質を分解して柔らかくするので、髪の毛を溶かしちゃってダメージしてしまうので注意してね。
ちょいと尿素は怖いなぁ〜って思うのなら、リピジュアやヒアルロン酸などの保湿成分やあまり強くない被膜オイル成分などが良いかも知れんね。
あと根本的な改善を考えるならアルカリ・アイロン・しっかり洗うの3つに注意する。
◎アルカリが原因で髪が硬くなる訳ではないけど、例えばヘアカラー毛やダメージ毛や猫っ毛さんなどが必要以上の強いアルカリ性の薬剤を使うと当然すごく髪が傷んでしまい、ゴワゴワで硬い感じ(最悪ビビリ毛)になる事は当然あり得ます。DO-Sの1剤はpHで強さを調整するタイプなので、そのお客さんの髪質・ダメージ具合に合わせて出来るだけ低アルカリの薬剤を選びましょう。
◎縮毛矯正のアイロン工程の時には髪が湿っていても乾燥しすぎててもダメです。水抜きアイロンのように水分が残りすぎてると過還元して凄くダメージしますし、乾燥しすぎてると癖が伸びにくくボサボサの硬い仕上がりになります。またアイロン温度が高すぎたりスルーが遅すぎても髪の毛が火傷状態になり硬い仕上がりになります。髪質や乾燥具合によってはアイロン前にリピジュアなどの保湿剤を使うのもアリです。(DO-SウォーターBとか)
あと、剛毛の方などは稀に多量のミックスジスルフィドが出来てしまってる場合もあります、ミックスジスルフィドは髪を硬く感じさせますので、矯正後の仕上げの時にもう一度アイロンするとその熱で少しミックスジスルフィドが取れますので少し改善される場合もあります。(稀ですよ)
◎例えば、DO-S OX-ZEROのカタラーゼの反応カスがキューティクル付近に残留してゴワゴワで硬い感じになってる場合などもありますので縮毛矯正直後にしっかりとDO-Sシャンプーで洗ってDO-Sトリートメントでチャンジリンスなどをすると改善される場合もあります。
またカタラーゼの反応カスだけではなくても、ノンコーティングのDO-S矯正剤の場合は被膜で誤魔化さないのでキューティクルのダメージがそのまま出て硬く感じる場合もありますが、これも基本通りにDO-Sシャンプーでしっかり洗って、DO-Sトリートメントをたっぷり染み込ませるのがオススメです。(ある程度日数がかかる場合あり)
ま〜記事の終わりに… 今更ながらわかりやすく説明するとね…縮毛矯正で髪がしなやかに感じたり、硬く感じたりするのは、酸性やアルカリ性とかの問題ではなくシャントリやトリートメントので例えるとわかりやすいんだよね。
縮毛矯正でツヤサラやしなやかで柔らかい質感になるのも基本的には被膜や保湿による誤魔化し。すっぴん髪理論で出来たDO-Sの薬剤で矯正すると、なぜたまに硬くゴワゴワになる人がいるのかというとね…
たまに被膜系の髪質改善トリートメントをしてたり、コーティングバリバリのシャントリをずっと使ってた人が、すっぴん髪DO-Sシャンプー&トリートメントを使い始めた時にコーティングが取れてきて一時的にボサボサ・ゴワゴワの状態になるようなもんなんだよね。
被膜系縮毛矯正をしてると施術直後はツヤサラで柔らかいかも知れないけど、数ヶ月後にはそれなりにダメージしちゃう。
しかし、すっぴん髪矯正なら施術直後はあまり手触りも良くなく硬く感じる人もいるけどその後もすっぴん髪ヘアケアを継続すれば数ヶ月後のダメージが少ない場合もあるんだよね。