ヘアトリートメントで髪は傷みます!
2010年頃に筆者が当時のSNSやブログの中で書いた言葉です。
一般の方や理美容師さん達もみんな「トリートメントは髪に良いもの」「トリートメントはダメージを治すもの」って考えてたので,、かなりの衝撃の言葉だったようですね…
これが今でいう「バズった」訳なんですが… そしてこの時期から美容師さんが勉強する専門誌の取材や特集記事に登場するようになったり、美容メーカーさんの開発者さん達の集まりで講演させてもらったり、全国各地で理美容師さん達の技術セミナーを行うようになったんです。
トリートメントをすると髪は傷む!?
これは16歳から40年以上美容師をしてた筆者が実際のお客さんを見て発見しました。
ホームケアでの担当の美容師さんオススメの無添加の高級オーガニックシャンプーだし、毎回ダメージ修復専用のトリートメントも使ってるし、お風呂から上がったら数種類の洗い流さないタイプのトリートメントに保湿ミストに天然100%の椿オイルもつけてるし…
美容室だって毎月必ず通って、ヘアカラーやパーマをしたら必ずダメージを予防&補修するために髪質改善トリートメントもしてもらってるのよ!
で でもね なぜか?
私の髪は… かなり傷んでます!
ヘアダメージへの美容師の素朴な疑問
筆者は昭和55年から美容師を始め、いろんなメーカーさんのパーマ・縮毛矯正・ヘアカラー等の技術や薬剤の研究開発アドバイザーをして約20年前からはオリジナルブランドでシャンプー・トリートメントなどのヘアケア製品やパーマ等の薬剤の開発・製作もしています。
これから書くのは今から20年以上前、筆者が美容師をしながらオリジナルブランドを立ち上げてヘアケア製品やパーマなどの薬剤を研究開発するきっかけになった話なんですが、、、
当時は1990年代後半に起こったカリスマ美容師ブームで忙しくてね、月間300名以上の指名のお客さんの担当をしててね、沢山の指名のお客さんをしてふと気づいた事があるんですよね〜
常連でいつもサロントリートメントして、ホームケアでもサロン用の高級シャントリや沢山のヘアケア商品を使ってくれてるお客さんほど ヘアダメージが激しい(汗)
無添加のアミノ酸系シャンプーとPPT配合のツヤサラトリートメントが悪いの?
トリートメントでダメージ修復してるハズなのに… 余計に傷んでないのか?
この頃は 地方都市のいち美容師の素朴な疑問程度でした。
ヘアトリートメントでも髪は傷みます!?
当時、筆者のサロンは4店舗で30名近くのスタッフがいて、店長らが主導して勉強会をしてました。そこでメーカーさんが薬剤やサロントリートメントやヘアケア製品などの臨店講習にも来てくれてたんですよね。
そういう臨店講習では若いスタッフ達がモデルになるんですが…衝撃の発見をしたんです!
モデルの美容師さんらの髪はボロボロに傷んでる!
新しいサロントリートメントが出来て講習でモデルの美容師さんに施術します。そもそも美容師さんたちはブリーチやパーマなどでダメージしてる人が多いのですが…
さすが画期的な髪質改善トリートメント!ダメージ毛でもツヤサラの美髪になるんですよね〜!
店長たちはこう言います↓
しばらくすると… また新しい髪質改善メニューが出て同じスタッフをモデルに臨店講習しました。
すると店長たちはこう言います↓
あのダメージ毛がこんなに綺麗になるなんて、素晴らしいトリートメントですね〜! 採用決定!早速明日からお客さんにオススメします。
ず〜っと同じセリフなんですけど・・・(笑)
でね… 毎日観察できる自店のスタッフで、実験・検証を繰り返して発見したんです…
髪質改善系のサロントリートメントをすると数日〜数週間は綺麗になるけど、その効果が無くなると確実にする前よりダメージは増えてます…
モデルになったスタッフの髪はやればやるほどボロボりになっていきます(涙)
ヘアトリートメントで髪は傷んでます!
なぜトリートメントでヘアダメージするの?
筆者には20歳ぐらいの頃から毛髪理論や薬剤知識を教えてくれる某大手メーカーの開発者の師匠がいました。ちょうどその頃アイロン式の縮毛矯正の研究開発をお手伝いしてた頃でね…
当時流行ってたのはブロー式のMr.ハビットっていう縮毛矯正だったんだけど、こいつが今考えると強烈な髪質改善メニューみたいなもんでね、直後は艶々のサラサラになるんだけど数ヶ月後はボロボロのダメージ毛になる方が増えたんですよね〜。
んで、このMr.ハビットっていう縮毛矯正のダメージをなんとかしようと師匠と検証・実験をしていてトリートメントでのダメージ問題もわかってきたのです!
当時はヘアダメージの原因としては大きく二つが定義されてました。
- ヘアカラー・パーマ・縮毛矯正などで起こる 薬品による損傷
- アイロン火傷やドライヤーやブラッシングによる 物理的損傷
ここで縮毛矯正やトリートメントの原理を考えていて、従来の2つのヘアダメージの原因とは違う第三の新しいヘアダメージを発見したんです…
当時のMr.ハビットやリシオなどの縮毛矯正には「カチオン系ポリマー」という髪の表面になかなか取れない強くコーティングする皮膜を貼って艶や手触りを良くしていたのです。
この強い表面コーティング(皮膜)が第三のヘアダメージの原因になったのです。
何故?高分子ポリマーやシリコンなどで髪に皮膜を張ると髪が傷むのか?そのキーポイントは『毛髪の水分』にありました。
ヘアダメージの出発点は毛髪の水分から
健康な髪の毛は普通に乾燥した状態で季節や空気の乾燥度合い(湿気)でも変化しますが、11〜15%程度の水分を含んでいるといわれてます。そしてシャンプー時などの髪がビショビショに濡れてる時は約30%ぐらいの水分量です。
この30%の水分には3種類があります。
①吸着水・・・健康毛で約18%程度あります。
髪がシャンプー時やシャワー時など、ビショビショに濡れてる時に毛髪の組織にくっついている水分です。ドライヤーなどで乾燥させると蒸発する水分なので乾いた時には無くなっています。
②自由水・・・健康毛なら 約7%ほどあります。
自由水は空気中の湿度とかで自由に出入りする水分です。冬場やエアコンの影響などで空気が乾燥すると自由水が減って髪の毛が乾燥気味になります。ヘアダメージしてダメージホールなどが出来ると自由水を維持するのが難しくなりパサパサの乾燥毛になります。
③結合水・・・健康毛で約5%程度です。
髪の内部の組織に強力に結合していてそう簡単には出てはいかない水分です。この結合水が髪の水分維持だけでなく髪のケラチンなどの組織同士もしっかりとくっつけてる『髪の命』とも言われるとても大切な水分です。
髪の命!と言われる「結合水」
髪の毛ってドライヤーでいくら乾かしても、アイロンでどんだけ加温しても、乾燥パスタみたいに乾ききってポキって折れたりしないで柔軟性がありますよね。
これは『髪の毛の命』と言われてる、そう簡単には出ていかなない結合水があるからです。
この結合水があるおかげでいくらドライヤーで乾かしても5%程度の水分は残るので、髪は乾燥しきってしまうようなミイラ化はしないのですし、結合水が髪の組織(ケラチン)同士を強く結合させていてヘアダメージで髪の組織(ケラチン等)が流れ出るのも防いでくれてるんです。
結合水 = 髪の水分維持とケラチンの流出防止によるダメージホールの抑制
このような重要な働きがあるので 結合水は髪の命 と呼ばれていて、結合水の減少がヘアダメージの大きく影響することがわかったのです。
ヘアカラーやパーマ・縮毛矯正の薬剤などでも減少するし、アイロン火傷やドライヤーやブラッシングなどでも流出してしまう。ここらまでは従来のヘアケア理論でもよく言われてました。
で〜縮毛矯正や髪質改善メニューなどが登場して結合水の減少が見つかったのです。
表面コーティングによる結合水の減少
縮毛矯正のMr.ハビットやリシオなどで配合されていた髪を艶々にする最強特殊ポリマーや、髪質改善トリートメントのカチオン系ポリマーやシリコンなどが髪の表面に強力な皮膜を貼り、その表面皮膜でキューティクルによる髪の水分調整が上手く機能しなくなり、髪の命と言われる「結合水」を減少させるのです。
ここらの理論は専門的でとても難しいのですが、わかりやすいイメージでいうと…
表面皮膜でキューティクルが上手く開閉しなくなり、水分が髪に長く残り ふやけたようになり その時に髪のケラチンに吸着してる結合水が外れてしまうのです。
※髪の皮膜・被膜とは?どちらも髪の表面にあるキューティクル部分に樹脂などのポリマー(化合物)やシリコンなどを付着させ表面コーティングして艶や手触りを良くすること(もの)。
すっぴん髪は結合水を減少させない
師匠と縮毛矯正の薬剤反応の研究をしたり、トリートメントでダメージしたスタッフで皮膜後のケアの実験・検証したりして完成させたのが…
ヘアダメージを少なくするには 結合水を減らさないようにする
↓
結合水を減らさないようにするには キューティクルを皮膜で覆わない
それが すっぴん髪ヘアケア理論!
このヘアケア理論をわかりやすく女性のメイクで例えるとね…
シャンプーは洗顔剤、トリートメントやコンディショナー、リンスはファンデーションです。
どんなに洗顔しても10日間は絶対に取れないファンデーションがあったらどう思います?
何日間もファンデーション塗りっぱなしだと お肌ボロボロになりそうですよね?
お出かけ前にファンデーションを塗って、帰宅したらクレンジングや洗顔でキレイに落とす。
これが美肌を保つ大切な要素ですよね〜♪ 実は髪の毛も同じなのです…
ヘアトリートメントで髪が傷むのは…
髪の表面を強力コーティングするからなのです!
※髪質改善メニューや酸熱トリートメントなどの持続性のあるサロントリートメントの場合はこれら表面皮膜でのダメージだけじゃなく、髪の内部の損傷もあります。
↓
世の中は強力表面コートだらけ
髪に強い表面皮膜を貼ると水分調整が上手くいかず、「結合水」が減少しダメージホールが出来たり、髪が乾燥してボサボサになったりしてダメージしてしまう。
そこで、すっぴん髪ヘアケアは表面皮膜を取りキューティクルを正常に働くようにしてあげる。
ただし当時の美容業界では、高分子ポリマーで艶々にする縮毛矯正や髪質改善が流行ってて、シャンプーは無添加アミノ酸系の超マイルドでトリートメントはシリコンで皮膜しまくり…
大ヒットした某大手メーカーのシリコン原液「キューティクルコート」なんて、1〜2滴つけたらハイダメージ毛でも一発でツルピカ!その後はパーマ液も浸透しないほどの強力皮膜!
ツヤサラで手触りが良いほど傷んでない髪である!
ほとんどのメーカーさんがこの考え方なので、世の中どんどん強力な皮膜だらけになります。
そして 知らず知らずのうちにダメージヘアの人が大増殖してしました。
現在世の中によくあるヘアケア商品を化粧品に例えると…
シリコン・ポリマー配合シャンプー 艶手触りの良い皮膜入りシャンプー | ファンデーション入りの洗顔剤 |
アミノ酸系マイルドシャンプー オーガニックや無添加シャンプー | 洗浄力の非常に弱い洗顔剤 |
シリコン・ポリマー配合トリートメント ツルピカが持続するトリートメント | 取れにくい強力ファンデーション |
※トリートメントにはコンディショナー、リンスや、お風呂上がりに使用する洗い流さないタイプのトリートメントやアウトバストリートメントなども含みます。
ファンデーションが入った洗顔剤なんて… 普通に肌なら考えられない物ですし(汗)
取れにくいファンデーションをとっても弱い(優しい)洗浄力の洗顔剤で洗うからどんどんファンデーションが残留してしまいお肌ボロボロになりそうですよね〜(涙)
すっぴん美肌には、ちゃんと洗える洗顔剤 と スッキリ落ちるファンデーション が大切です!
普段でもトリートメントはしない方が良いの?
多くの方は、今まではヘアトリートメントというものは髪に良いもの!?ヘアダメージを治すもの!って勘違いしてたハズなのですが…
ツルピカになるトリートメントの表面皮膜で髪の命「結合水」が減りダメージする!
ここまでは理解できましたよね。すると… よ〜くこんな質問を頂きます↓
じゃ〜普段シャンプーした後もトリートメントしないほうが良いのですか?
そんな時には大体こうお答えします↓
現在のダメージ具合や使うシャンプー・トリートメントで変わります。
まず現在のダメージ具合というのはね、たとえば シリコンやポリマーなどの皮膜成分の入っていたい ちゃんとしたシャンプーを使用した場合なら の話だけど…
皮膜しないちゃんとしたシャンプー使用だけで櫛通り・指通りもよくサラサラで問題なくスタイリング出来るような状態ならトリートメントなんてしなくても良いです。
※アミノ酸系のマイルドシャンプーやシリコンやポリマー等の皮膜成分入りシャンプー、リンスinシャンプーなど、ツヤサラで手触りの良いシャンプーはそれだけで結合水を減らし髪を傷めてしまいます。
でもヘアダメージがあってトリートメントやリンスをしないと髪がもつれたりギシギシで指通りが悪い場合は摩擦等でキューティクルが損傷し髪が傷んでしまいますので、こういう場合は髪の滑りをよくするトリートメントをした方が髪のダメージが少ない場合もあります。
結局はシャンプーするのもトリートメントするのも、どちらも髪を傷める事なので…
ダメージ毛の方の場合は、トリートメントしないで髪が絡れたりして摩擦でダメージするのと
トリートメントの皮膜でダメージするのと どっちがマシなのか?って感じですね。
たとえば…
①ダメージの多い方がシャンプーすると髪同士の摩擦でキューティクルが損傷する、これで毎回70ポイント程度傷むとします。この方がトリートメントすると摩擦でのダメージが減って60ポイント少なくなり、トータルダメージは10ポイント程度になります。
んで、この方のトリートメントの皮膜でのダメージが1回あたり30ポイントあるとしたら… シャンプーとトリートメントした場合のダメージは、10+30で40ポイントになります。
- シャンプーだけの場合のダメージ=70ポイント
- シャンプーとトリートメントした場合のダメージ=40ポイント
この方のケースならトリートメントしたほうがダメージは少なくなります。
②健康毛でシャンプーしたぐらいじゃ絡まったりキューティクルの損傷がほぼ無い方の場合なら、シャンプーだけでのダメージは10ポイントだとします。
そしてこの方もトリートメントの皮膜でのダメージが1回あたり30ポイントあるとしたら… シャンプーとトリートメントした場合のダメージは、10+30で40ポイントになります。
- シャンプーだけの場合のダメージ=10ポイント
- シャンプーとトリートメントした場合のダメージ=40ポイント
この方のケースならシャンプーだけでトリートメントないほうが良いです。
③オーガニックな優しいアミノ酸系やシリコンやポリマーでシャンプーだけでツヤサラになるようなシャンプーを使用してる方はシャンプーだけでも皮膜ダメージも加わり40ポイント傷みます。
そしてこの方が皮膜トリートメントすればもっと強い皮膜ダメージで30ポイント追加されます。
- シャンプーだけの場合のダメージ=40ポイント
- シャンプーとトリートメントした場合のダメージ=70ポイント
この方の場合はシャンプーだけでも手触りが良くその時は傷んだ感じはしませんが、トリートメントしようとしまいと徐々に皮膜ダメージが蓄積されてしまいます。
このようにトリートメントしたほうが良いのか?悪いのか?は髪質やダメージ具合や使用してるシャンプーによって変わってくるのです。
唯一無二のすっぴん髪DO-Sシャントリ
今まで書いてきたように髪を傷めるのは 表面コーティングをする皮膜 なんですよね!
この皮膜成分にもシリコンやカチオン系ポリマーなど沢山の種類があり、トリートメントだけではなくシャンプーなどにも使用されています。
その効果も髪質改善系のサロントリートメント(美容室でする特殊トリートメント)のように数週間程度コートしちゃうような強力なものから、家庭で使うシャンプーやトリートメント、コンディショナー、リンス、アウトバストリートメント等に含まれる数日間程度持つものまであります。
ダメージした髪をなんとかしたい!髪の傷みを予防したい!
そのために、縮毛矯正や髪質改善などの各種薬剤メニューのポリマー皮膜を早く取り除いて残留薬品やアルカリなどを除去し、表面皮膜を落としてすっぴん髪にしてダメージを軽減するためにシャンプーとトリートメントの研究開発に取り組みました。
でもね… みんなは皮膜なんて洗浄力の強いシャンプーで剥がせばいいじゃん!なんて思いがちですが… 実はこれが結構難しい事だったのです(涙)
シャンプーの洗浄力を強くしただけではカチオンで吸着したポリマーやシリコンはあまり取れませんし、ただ洗浄力やアニオンを強くしちゃうとキューティクルを損傷させてダメージさせてしまうし… 洗浄力は強くなく、でもポリマーやシリコンはしっかり落とさないといけません。
トリートメントは表面皮膜を貼らないだけでなく、染み込んでダメージホールを埋め髪を綺麗に見せて手入れしやすくしないといけないのですが、べったり重たくもしてはいけないのです。
しかもシャントリなどは検証するのにひとつの製品を2〜3ヶ月間は使用しなくちゃわからないので、開発に長い期間を必要としました。
そして3年以上の年月をかけ… すっぴん髪・素髪ヘアケア専用のちゃんと洗えるシャンプーと皮膜をしない染み込むトリートメントである DO-Sシャンプー&トリートメントが完成しました。
ダメージヘアが変わる!美容師が作ったすっぴん髪シャンプー&トリートメント
あのダメージ毛がこんなに綺麗になるなんて、素晴らしいトリートメントですね〜! 採用決定!早速明日からお客さんにオススメします。