DO-S理美容師情報局ではダメージヘア・ヘアケア、ストレートパーマ・縮毛矯正など、毛髪に関するコラムを発信しています。
◎なぜヘアダメージしてしまうのか?ダメージヘアの正しいヘアケアの方法は?
◎ヘアカラー(毛染め)の理論と薬剤知識
◎本当のパーマ理論と正しい薬剤知識
◎失敗を防ぐストレートパーマ・縮毛矯正
◎天然のヘナ&インディゴ『ハナヘナ』
美髪コラム【髪の毛のホントの話】は現場の美容師の素朴な疑問から生まれました
筆者は16歳の頃から見習い美容師を始めました。見習い美容師というのは美容学校を出てる訳ではなく、見習いとして美容室・サロンで働きながら美容学校の通信科に通って美容師免許を取得するというやつで、いきなり美容室に就職して1から教えてもらう感じなのです。
しかも筆者は家が床屋だったので生まれてから一度も美容室に行った経験もなく、初日から「ブローって何のこと?ダッカールってどれ?」とか… 全くのど素人だったのです。
そんな見習い美容師からスタートしたのですが、当時からとても不思議に思ってたことがありました。
ここが変だぞ!?理美容師のヘアケア・ヘアダメージやスカルプケアなどの理論や原理は一体誰に教わっているのか?
美容師の行う技術的な問題なら、シャンプーから始まってヘアカラーの薬剤塗布、ワインディング(パーマのロッド巻きの事)、ブロー&セット、カットなどは先輩やオーナーさんに教えてもらう(当時はまだまだ見て覚えろ式だった)のですが、薬関係の詳しい事やヘアカラーやパーマの理論的なことは先輩たちもみんなダンマリです(笑)例えばパーマ液などでも、普通の1液はチオで、傷んでる人はシスでかけるって決まりがある程度でした。
たいがいがパーマやヘアカラーの施術法や薬剤知識、毛髪理論を教えてくれるのは、サロンにパーマ液やシャンプーなどを売りに来てるディーラーや販売店の営業さんなのです(汗)新商品や新技法などが出た時は稀に製造メーカーの営業担当さんが説明に来てくれる事もありました。これって例えるならお医者さんが新しい病気の治療法を、薬局の薬剤師さんでもない販売員や製造メーカーの営業マンに教えてもらうって感じです。
これの何が問題かというと… 教えてくれるのが素人で、しかも製造メーカーや販売店の営業マンさんだという事です。
どうしても自社贔屓の説明になるし、デメリットは隠蔽しがちな 販売目的の都合の良い教育 になっちゃいます(涙)
美容師と医師との違いとは?
筆者は16歳の時、1981年に美容師として働き始めました。そして24歳で美容室をオープンし、51歳で現役の美容師を引退したのですが… ずっと疑問に思ってた事がありました。
美容師とお医者さんとの違い!
地元で医師をしてる友達と話をしてたら、お医者さん達って学会だとか発表会や勉強会みたいなのがあって、常に新しい治療法や医薬品などを勉強(研究)してるんですよね。
それらの最新の治療法や手術法や新しい薬なども大学の医学部の教授の先生達とか、お偉いお医者さんが研究して開発したりしてるんですよ。新薬や装置などもお医者さんが臨床実験しますしね。
理美容師さん達の業界にはカットなどの技術的な勉強ならカット講習会とかカット教室などはあるんですが… 薬剤知識や毛髪のダメージやケア理論的なことだと、学会も論文もないし、美容学校に毛髪や薬剤理論の研究所も研究開発してる教授さんもいないんです。
理美容師さんの業界では昔っから、新しいパーマや縮毛矯正やヘアカラーやサロントリートメントなどは、商材メーカーさんや販売ディーラーさんに教えてもらっていたのです。
しかも美容院専売の商材メーカーさんでは、よっぽどの大手メーカーさんじゃないと技術インストラクターさんなんかいませんからね〜(汗)普通はメーカーや問屋さんや販売店さんの営業マンさんが教えてくれるんですよね。
新しいパーマやストパー・縮毛矯正や髪質改善系のサロントリートメントなんかなら、臨店講習(りんてんこうしゅう)っていってメーカーの営業マンさんがサロン営業後に来てくれて、だいたいサロンスタッフをモデルに実技講習で使用法とか薬剤知識を教えてくれます。
これってお医者さんで例えるなら…
最新の治療法を製薬会社の営業さんやその販売店の営業さんが医師に教えてるって感じですね!
医学に関しては素人同然の営業さんがマニュアル通りに教えてくれてただけなのです(涙)
そもそも薬剤知識も毛髪理論もほぼ知らない純粋?な美容師だから通じてたんですね(汗)
たまに理美容商材メーカーの研究開発の学者さんみたいな方が教えてくれたりする場合もありますが… これまた微妙な感じで、商材メーカーの研究開発者さんは化学・薬学の専門家なので美容理論は専門外ですからね。
例えば、開発関係の方はケラチンタンパク質っていう物質自体や薬剤に含まれている成分等には詳しいけど、パーマやヘアダメージの仕組みなんてのは専門外なんですよね。
研究者、開発者、学者さんということで、誰もが信用してしまうのですが、研究者といえども自分の専門分野以外では素人同然です。
販売目的の美容商材メーカーからの情報しかないのが美容業界の現実なのです(涙)