髪の毛や頭皮は弱酸性の状態が良い!アルカリ性はヘアダメージする! 一度ぐらいはこんな事を聞いたことはありませんか?
自毛より明るく染まる毛染めは100%強いアルカリ性の薬剤ですし、パーマや縮毛矯正もほとんどがアルカリ性の薬品を使用してます。
アルカリ性だとなぜ髪は傷むのでしょう? どうしたらいいのでしょう?
また、美容師さんに毛染めしたら薬局で売ってるクエン酸を水で溶いて髪につけたらアルカリ除去が出来ると説明されたのですが… 本当にそんなもので効果はあるのでしょうか?
酸性?アルカリ性? pHってなに?
毛髪や頭皮は、pH4.5〜5.5程度の弱酸性が良い!
pH(ピーエッチ)とは水素イオン濃度指数のことで、その液体に水素イオン「H+」がどれくらい存在しているかを表す単位です。
その数値は0〜14で表され、数字が小さいほど酸性、大きいほどアルカリ性になり、7前後が中性ということになります。
髪や肌はこの図でいうと黄緑あたり(pH4.5〜5.5)の時が良い状態です。
髪・肌と酸性〜アルカリ性の基礎知識
髪や肌と酸性・アルカリ性の基礎知識としては…
まず、よくアルカリ性ばかりを悪者にしがちですが、髪や肌はあくまで弱酸性が良い状態なので酸性になっても悪いというのは理解しておきましょう。
毛髪の場合なら、アルカリ性になるとキューティクルが開き剥がれやすくなり、髪は軟化して溶けていくような感じになり、酸性の場合は硬く・脆くなりギシギシになっていきます。
そして髪と肌の違いでは… 毛髪の場合は何かの影響でアルカリ性になってしまったらなかなか弱酸性には戻らないけど、頭皮や肌はある程度の場合は自分で弱酸性に戻ることが可能です。
日常生活での髪や肌への影響は?
髪は通常は弱酸性を保ってます。普段の生活でどんな時にバランスが崩れるのかというと…
まず皆さんが経験したことがあろうという事なら、海で泳いだ時です、海水はpH8程度のアルカリ性なので髪はバサバサになりますよね。
これは紫外線の影響もあるんですが同じような日光の当たる日に海で泳ぐのとプールでもバサバサ加減は違うでしょ!?海のほうがゴワゴワするのがアルカリの影響です。
温泉風呂でもアルカリ性のお湯の場合は髪がバサバサしたりしますし、酸性の場合はキシキシになったりします。
あとロハス信者さんや自然思考家の方が自家製石鹸などはアルカリ性なので髪がバサバサになったりする場合もありますし、そのアルカリを中和するのにお酢を髪につけたりして、ギシギシ・ゴワゴワになったりするのですが、これは酸性になりすぎて収斂作用でなった感じですね。
ま〜毎日海で泳いだり強いアルカリ温泉に浸からない限りそんなに激しい影響はない感じです。
アルカリ性でヘアダメージする原因は?
普通の日常生活では、海水やアルカリ温泉とか石鹸シャンプーやクエン酸リンスなどで影響がある程度で、アルカリ酸で髪がひどくダメージするような事はあまり考えられないです。
酸性やアルカリ性でのヘアダメージの多くはヘアカラーやパーマ等の薬品です。
ヘアカラー・パーマ・縮毛矯正(ストレートパーマ)など理美容室で使用する薬品の多くはアルカリ性か酸性のものが多いです。
代表的な美容室での薬品のpHは?
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※縮毛矯正(ストレートパーマ)剤のpHはパーマ剤と基本的に類似した基準で作られています。
↑この図を見て疑問を感じる方もいますよね?
たとえば 海水や石けん水とパーマ液とは同じ程度のアルカリ性ですよね? でもなぜ? どう考えても海水や石けんよりパーマのほうがダメージが激しいよね?
アルカリ度or酸度とは?
どう考えても… 同じpH9.5のアルカリ性の石鹸で洗ったのと、同じpH9.5のパーマ液でパーマをかけるのでは、パーマのほうが何十倍・何百倍もダメージが激しいハズです!
それは何故かというと、その液体の水素イオン濃度指数を表すpH(ピーエッチ)ともう一つ、その液体の酸性やアルカリ性の強さを示す 酸度 or アルカリ度 というのがあるからです。
美容師さんたちが使うパーマの1液なんかだと… チオグリコール濃度6%、pH9.2、アルカリ度6.5ml とかって表示してあるんだけど。
例えばこのアルカリ度6.5mlっていうのは、一定条件・一定量のこのパーマ1液に一定濃度の塩酸を6.5ml加えたらpH7の中性になるっていう事なんだよね。
美容師さんでもアルカリ度6.5mlっていうのは、アルカリ成分を6.5ml入れてる薬剤と勘違いしてる方もいますが それは全く違います。
アルカリ度=アルカリ剤の量ではなく、その溶剤を中性にするまでの塩酸の量です。
そして酸度というのは・・・
酸度=一定条件・一定量の酸性溶剤を中性にするまでの一定濃度のアンモニア水の量です。
同じpHでもアルカリ度が高いと中和できません
ヘアダメージに関連しやすいアルカリで説明しますが、酸性でも同じです。
pH(ピーエッチ)というのはアルカリの数値を示す単位で、アルカリ度というのはアルカリの強さを示す。
これ実はプロの理美容師さんでもよく理解していない方もいるのですがとても大切です。
たとえば同じpH9.5で作られた、液体石鹸シャンプー(アルカリ度0.2ml)と縮毛矯正剤1剤(アルカリ度7ml)があるとします。この同じpHの二つを比較すると…
石鹸シャンプーのほうはアルカリ度が低いので、お湯(pH7程度)ですすぐだけでもpH9.5から落ちていき中性ぐらいに中和され、リンスやトリートメントで弱酸性に戻るはずです。
pH9.5でアルカリ度7mlの縮毛矯正剤は薬事法でも最強クラスの強い薬剤です(汗)このぐらいのアルカリ度だと施術後にすすいだりシャンプーしたぐらいでは弱酸性には戻りません。
そう同じpHでもアルカリ度の違いで石鹸シャンプーはすすいでリンスぐらいでも弱酸性に戻れるけど縮毛矯正剤ならすすいでシャンプー・リンスしてもアルカリ性のままになってしまいます。
アルカリ度が低いとすぐに中和できますが、アルカリ度が高いと残留しやすくなります。
アルカリ残留すると髪が傷みます
髪は弱酸性が良い状態なのでアルカリ性になると髪は傷んでしまう!前記したように海で泳いだ後にバサバサするのは皆さん経験した事はありますよね。
ただ ヘアカラーやパーマ・縮毛矯正の アルカリ残留でのダメージ は別次元です。
ヘアカラーやパーマ・縮毛矯正(ストレートパーマ)をすると、アルカリ剤以外にも沢山のいろんな有害な成分もどうしても髪に残留してしまいます。
たとえばヘアカラーの場合ならオキシドールなどが一緒に残留しちゃうと脱色効果があるので発色した色素を壊して褪色を早くしたりケラチンも破壊しダメージホールを作ったりもします。
パーマや縮毛矯正の場合なら未反応で残留した還元剤などと髪のケラチン同士を切断したりしてダメージホールを作ったり、髪の命といわれる結合水を少なくしたりします。
カラーやパーマ・縮毛矯正は他の残留成分も沢山あり激しくダメージするのです!
間違った理論やヘアケアにも問題あり!
ヘアカラー・パーマ・縮毛矯正(ストレートパーマ)でのアルカリ残留によるダメージには他の残留薬品との反応もあり特にヘアダメージが大きいのですが・・・
それ以上に間違ったアシッド処理や施術後のヘアケア方法によるダメージも多いです。
◎その時の手触り重視の間違った薬剤理論
平成になった頃から毛染めやパーマの薬剤が変わりました。感触向上成分という表面コートでツヤサラにしてダメージしてないかのように見せる皮膜成分が使われるようになったんです。
この表面コートする皮膜成分でカラーやパーマ、特に縮毛矯正などはツヤサラでする前より綺麗になるぐらいになったのですが…
表面コートして内部の残留物質が出にくくなってしまいました!
◎カラーやパーマ直後のサロントリートメント
これも平成になってからなんですが、パーマやヘアカラーの直後にダメージ軽減や予防のためにサロントリートメントや髪質改善メニューなどを薦められるようになりました。
ただし、これも最終的にはポリマーなど感触向上成分(皮膜)を貼りツヤサラにするので…
余計に表面コートして内部の残留物質が出にくくなってしまいました!
◎マイルドシャンプーと皮膜トリートメント
艶があってサラサラな髪が傷んでない髪!ということでオーガニック・無添加・植物性でマイルドなアミノ酸系シャンプーとツヤサラの皮膜トリートメントが主流になってます。
弱すぎる洗浄力と表面皮膜!これは小学生でもわかると思いますが…
マイルドシャンプーと皮膜トリートメントでは内部の残留物質が取れません!
◎アルカリ中和なんか不可能なアシッド剤
通常、理美容室で毛染めやパーマ・縮毛矯正などをするとアルカリ残留防止のためにアシッド剤・酸リンス・バッファ剤といわれる処理剤でアルカリの除去処理をしてくれます。
ただしこういう処理剤のほとんどがクエン酸ベースで pH2程度の強酸性だけど酸度はとても弱い薬剤 なので実際はアルカリ除去など不可能なのです。それにph2などの強酸性だと髪が収斂してしまい余計にアルカリ成分が閉じ込められてしまう可能性もあります。
あと電子・水素水やミネラルアルカリ還元水(ヤクジョスイ)などでアルカリ除去など、どう考えても化学的根拠に乏しい魔法のお水理論に洗脳されてる美容師さんもいます(汗)
アルカリ中和の簡単な検証実験
アルカリ度の高いカラーやパーマ剤でのアルカリ残留は、酸度の弱いクエン酸のアシッド剤や魔法のお水ではアルカリ中和は不可能!? ではこれの簡単な検証を見てみましょう。
まずはアルカリ性のパーマ1剤を水で1.5倍に薄めたものを用意しました。
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元々はpH9.2のパーマ液を水で1.5倍に薄めると、pHは約9程度になりました。
そして一般的によく使用されてるクエン酸のアシッド剤を作ります。
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なんとpH1.8の強い酸性になりました!
この強酸性のアシッド剤を最初に作ったパーマ剤に1:1で混ぜます。
最初は酸性になりますが、少し時間経過すると pH8.63のアルカリ性になりました。
多くの理美容師さんはこのクエン酸ベースのアシッド剤を使用していますが・・・
クエン酸ベースのアシッド剤ではアルカリ中和は不可能ですね!
ちなみに同じ条件下の実験検証結果だと・・・
アルカリ除去だけでなく過酸化水素や毛染めのカブれの原因であるジアミンまで除去できて髪質改善まで出来る!と宣伝されてる高機能還元水(ヤクジョスイ)なら
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酸度のないお水系ではアルカリ度の高いパーマやヘアカラー剤のアルカリ中和は全く不可能ですよね。
筆者の開発した理美容室専用のpH5程度でとても酸度の高いの『DO-Sアシッド』なら
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特殊な弱酸性のpHのアシッド剤で酸度が強いため弱酸性まで戻せました。
同じく筆者の開発した一般用の『DO-Sアルカリオフ』なら
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プロの美容師専用のDO-Sアシッドほどではありませんが、それなりにアルカリ中和は出来そうですね。
アルカリ度の高い薬剤を中和するには酸度の高い薬剤を使用しなければいけません。
アルカリ中和とアルカリ除去
アルカリ度の高い毛染めやパーマ・矯正の薬剤等だと酸度の高い特殊なアシッド剤ではないとアルカリ中和は不可能だという事はわかったのですが…
アルカリ中和とアルカリ除去は違う!ってことも知らなければいけません。
アルカリ中和とは?・・・アルカリ性になった髪を酸性薬剤で弱酸性に戻す(中和)こと。
アルカリ除去とは?・・・髪に残留したアルカリ成分をちゃんと落とせるシャンプーで洗って取り除く(除去)こと。
アシッド剤・酸リンス剤でアルカリ性を中和しただけでは、アルカリを除去は出来ません。
そうです、アルカリ除去というのは、アシッド剤でアルカリを中和している間に、ちゃんとアルカリ除去できるシャンプーで洗って除去していくものです。
だから、オーガニック・無添加・アミノ酸系等の洗浄力のとても弱いマイルドシャンプーではなかなかアルカリ除去は困難だったりします。
薬剤のアルカリを早く取り除いてヘアダメージを最小限に抑えるには、弱酸性で酸度が高いアシッド剤でアルカリ中和をしてる間に、きちんとアルカリを落とせるシャンプーで洗わないといけません。
アルカリ除去するアシッド剤とシャントリ
まずは理美容室で使用するアルカリ度のつよい薬剤に対応するために高い酸度を持ちながら、しかも収斂させないpH5前後の弱酸性で作られた理想のアシッド剤
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DO-S ACID(アシッド)
理美容室のみの取り扱いですので、詳しくはこの記事をお読みください。
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一般の方はホームケア用にDO-SアシッドをアレンジしたDO-Sアルカリオフ
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詳しくはこちらの記事をお読みください
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DO-SアシッドやDO-Sアルカリオフでアルカリ中和をしたら、ちゃんと洗えるシャンプーでアルカリ除去しましょう!
某メーカーさんの検証では最も強いアルカリ剤のブリーチ剤を使用し、オーガニック無添加アミノ酸系のマイルドシャンプーで洗った場合、20回以上シャンプーしないと完全にアルカリ除去が出来なかったと言われています。
また、DO-Sアシッドやアルカリオフはアルカリを中和するものです。アルカリ除去をするのはシャンプーですので、アルカリ除去のしやすいシャンプーを使用しましょう↓
DO-Sシャンプー&トリートメント400mlセット
※DO-SアシッドやDO-Sアルカリオフはアルカリの中和剤です。弊社のDO-Sシャンプー&DO-Sトリートメントを使用することでアルカリ除去効果を発揮するような設計で作られています。
他社のシャンプー・トリートメントを使用した場合、どの程度のアルカリ除去効果があるのかはわかりませんのでご注意ください。
※DO-SアシッドやDO-Sアルカリオフで中和できるのはアルカリです!プール等の塩素を中和することは出来ません。