「髪質改善トリートメント(酸熱・水素等)や縮毛矯正を繰り返したら、毛先がバサバサになりチリチリのビビリ毛になってしまった」
「毎回全体カラーをしていたら、髪が限界を迎えてしまった」というトラブルは非常に多く見られます。
1回目はツヤが出たように見えても、施術の重複やアイロン熱の蓄積により、内部のタンパク質が変性(過収斂・硬化)して深刻なハイダメージへ進行するケースが後を絶ちません。
現代の毛髪科学において、一度死滅・壊死した毛髪組織や、変質したビビリ毛を元通りに再生・復元する技術は存在しません。
しかし、不要な皮膜を取り除く「引き算のヘアケア(すっぴん髪)」を取り入れ、正しい手順を踏むことで、これ以上の悪化を食い止め、最も効率よく扱いやすい状態へ導くことは可能です。
なぜ髪質改善・縮毛矯正・全体カラー等でビビリ毛になるのか?
全体ヘアカラーによる過度なブリーチ(脱色)ダメージの反復
ヘアカラー剤(1剤のアルカリと2剤の過酸化水素)は、毛髪内部で酸化反応を起こしてメラニン色素を分解(ブリーチ)します。しかし、この脱色作用はメラニンだけでなく、周囲のケラチンタンパク質や結合組織も同時に酸化・破壊します。毎回毛先まで染め重ねることは「内部組織の破壊と空洞化を際限なく繰り返す」ことと同義であり、細毛・軟毛の体力を急速に奪う最大の原因となります。
縮毛矯正における「還元剤によるシスチン結合の過度な切断」と熱変性
縮毛矯正は還元剤を用いて髪の骨格である側鎖「シスチン結合(S-S結合)」を切断し、アイロン熱で再整列させる技術です。しかし、カラーで弱った毛髪に過剰な還元がかかると、シスチン結合が必要以上に切断されて髪の耐力が完全に崩壊します。その脆弱化した状態に高熱アイロンのプレスが加わることで、タンパク質が不可逆に変性・熱変形し、毛先のチリつき(ビビリ毛)に直結します。
酸熱トリートメントの過収斂・過剰脱水
グリオキシル酸などの酸性成分と高熱アイロンにより、タンパク質の変性や結合水の喪失を招き、繰り返すほど硬化・断裂を起こしやすくなります。
水素トリートメントの熱酸化リスク
活性酸素の除去を謳う施術でも、仕上げの高熱アイロン処理によって熱変性を起こす事例が散見されます。
ハイダメージ毛を立て直す「すっぴん髪」4つの回復ステップ
ステップ1|ヘアカラーは「根元リタッチ」を厳守する
ダメージ部分にこれ以上薬剤を付着させないことが最優先です。担当の美容師に現在の状態を伝え、毛先が回復傾向に向かうまでは全体染めを完全に中止し、新生部のみを染める根元リタッチ塗布を徹底してください。
ステップ2|2〜3週間、DO-Sシャンプー&トリートメントで被膜を除去する
重いオイルや皮膜系のアウトバストリートメント、サロントリートメントの残留皮膜を落とすため、ヘアケアをDO-Sシャンプー&DO-Sトリートメントのみに絞ります。
- インバス:DO-Sシャンプーで頭皮と髪をしっかり洗浄し、皮膜が落ちて泡立ちが軽くなるまで洗います。その後、DO-Sトリートメントを適量塗布し、軽くすすぎます。
- アウトバス:毛先のビビリ・引っ掛かりが強い部分には、DO-Sトリートメントをごく少量、洗い流さないトリートメント代わりに塗布して乾かします。
ステップ3|本来のダメージ度合いを「露出」させて見極める
2〜3週間ほど経過し、表面を覆っていた酸熱トリートメントや縮毛矯正の残留成分・皮膜が落ちたタイミングで、素髪の状態を確認します。
- DO-Sシャンプー後、DO-Sトリートメントをいつもよりしっかりめにすすぎ落とします。
- アウトバストリートメントは一切つけず、完全にドライヤーで乾かします。
- トリートメントで質感を誤魔化していない素の状態で、どこからどこまでがチリつき、バサつき、指通りを失っているかを触診・目視します。
ステップ4|修復不可能な限界部分をカットし、正しいデイリーケアを継続する
熱変性と過度の薬剤でチリチリに変質した「完全なビビリ毛」は、いかなる髪質改善やトリートメントを用いても元の健康毛には戻りません。無理に残すと摩擦で周囲の健康な髪まで枝毛・切れ毛を広げてしまいます。
【最重要】見極めたハイダメージ部分を美容室で思い切ってカットしてください。
カット後は、DO-Sシャンプー&トリートメントによる「洗う・染み込ませる」基本ケアを継続し、濡れた髪への無理なコーミングや高温アイロンを避けて物理的ダメージを最小限に抑えます。
被膜で隠すケアから、素髪を活かすヘアケアへ
傷んだ髪にさらに皮膜を重ねる「足し算のトリートメント」は、内部の劣化を覆い隠し、結果的にダメージを悪化させる原因になります。
余計なコーティングを落とし、ダメージの原因を断ち、残った髪を正しく扱う「引き算のヘアケア」こそが、縮毛矯正や酸熱トリートメントによる深刻なダメージから抜け出す最短の解決策です。
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髪を傷ませない・ヘアダメージを効率よく改善するためのヘアケア・ホームケア完全ガイド
コラム執筆者プロフィール
森下 秀彦(美容師歴約50年・毛髪専門家・DO-S製品研究開発者) 全国の理美容師へパーマ・縮毛矯正の薬剤理論を指導する元美容師。「世の中のヘアダメージで悩む人を救いたい」という想いから、独自のすっぴん髪・素髪理論に基づいたヘアケア情報を発信しています。
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