傷んでチリチリの髪「ビビり毛」の対処方法

傷んでチリチリの髪「ビビり毛」の対処方法

髪が傷んでチリチリ・ジリジリになってしまった、「ビビり毛」でもう家から出るのもイヤ、そんなビビり毛を改善する対処法を検索すると色々ありますが、間違った改善法や対処法が多く、余計にボロボロになってしまい取り返しのつかないことになるので注意が必要です。

さて、ビビり毛とはどんな状態でしょう?

シャンプー後など髪が濡れてる時はテロンテロンに柔らかくて、乾いていくとガシガシ、ゴワゴワに硬くなっていき、最終的にはチリチリ、ジリジリした状態になってしまうのが「ビビり毛」です。

では、どうしてビビり毛なってしまうのでしょう?

縮毛矯正やストレートパーマ、デジタルパーマやブリーチ、ヘアカラーなどの薬品や高温を使う美容室のメニューで起きるケースと、ブリーチや髪質改善メニュー、普段の間違ったヘアケアでダメージが蓄積して起きるケースがあります。

「ビビり毛」は、激しくヘアダメージして手触りはガシガシし、チリチリにチリついた状態になります。そんなビビり毛の正体。

実はビビり毛とは、ビビり毛=穴ボコだらけのハイダメージ毛なのです。

ビビり毛は何故チリチリ・ジリジリにチリついてしまうのか?

傷んだ髪というのは以下の画像のような状態です。

分かりやすく説明すると…
髪の傷みの大部分は、何らかの原因で髪の主成分であるケラチンタンパク質がなくなって出来たダメージホールという穴のことです。 
ヘアダメージ = ダメージホール

このヘアダメージがどんどん激しくなっていくと、みるみるうちに穴が増加していき、髪の毛が穴だらけになってしまいます。

するとシャンプー時など髪が濡れている時は、沢山ある穴が水で満たされるので、テロンテロンに柔らかくなり、乾いて水分が蒸発すると、穴が萎んでウネウネ、チリチリ、ジリジリな状態になってしまいます。

ビビり毛 = 穴だらけのハイダメージ毛。
チリチリのビビり毛までヘアダメージしちゃうと、外出するのもイヤになってしまいますよね。

ビビり毛になってしまう2つのパターン

超ハイダメージ毛のビビり毛になるには、大きく2つのパターンがあります。

<パターン1.>美容師の失敗でいきなりビビり毛
縮毛矯正(ストレートパーマ)やデジタルパーマなどを行う時に、アイロンなど高温を使う器具で生じる技術的なミス、施術前のダメージ具合・薬剤履歴などの判断ミスによる薬剤の過剰反応。このように担当美容師さんのなんらかの失敗により、いきなりビビり毛になってしまうことが考えられます。
美容師さんはいろいろ言い訳したりしますが、基本的には施術ミスか判断ミスが原因です。

<パターン2.>ヘアダメージが蓄積され限界越えでビビり毛
ヘアカラーやパーマ、縮毛矯正やヘアトリートメント類、ブローやアイロンなどあらゆるダメージが少しずつ蓄積されて、徐々に穴が増えていき、ついにビビり毛になってしまうパターンも考えられます。

それでは、どのくらいのダメージでビビり毛になってしまうのか?これについては、個人差が非常に激しいです。例えば、猫っ毛でダメージに弱い髪質の人は、普通に明るめに染めて1回縮毛矯正しただけでチリチリのビビり毛になる場合もありますし、太くで丈夫な髪質の人なら何度も染めたり縮毛矯正を繰り返しても、なかなかビビり毛にならない場合もあります。

どんな原因であれ、その人の髪質により程度は変わりますが、ヘアダメージの限界点を超えてチリつく状態になってしまったのがビビり毛なんですね。

ビビり毛は何をしても直りません!

チリチリのビビり毛になってしまうと多くの方はなんとかしようと焦ります。「髪チリチリ 直す」「チリチリ ビビり毛 改善」などで検索します。そして髪のチリチリを改善する方法とかヘアダメージの対処法などのサイトで勉強したりします。ですが残念ながらビビり毛は何をしても治りません。メーカーさんや美容師さんがいろんな修復法やトリートメントを紹介していますが、一度空洞化した穴(ダメージホール)を元に戻すことは不可能です。

酸熱トリートメントやどんなに画期的な髪質改善メニューをしても、ビビり毛で出来た穴(ダメージホール)を元通りに戻すことは不可能です。
ビビり毛になってしまった部分は、カットしてなくすしか方法はありません。
ビビり毛の対処法といわれるものはカットするまでの間、なんとかビビり毛のチリチリを誤魔化すという方法しかありません。

一般的なビビり毛対処法とは?

その部分を切ってしまうしか解決策がないビビり毛。それまでの間チリチリを誤魔化す為に、現在主流な対処法が2つあります。

<対処法1.>ビビり毛の穴以外の残っているケラチン部分を、GMTやスピエラで優しく縮毛矯正。グリオキシル酸などを使った酸熱トリートメントや髪質改善メニューで、形状変化させてチリつきを誤魔化す対処法。

ただこの対処法は、あまり激しい穴だらけのビビり毛だとケラチンの残りが少ないので誤魔化せなかったり、施術を重ねるごとにヘアダメージをさせてしまうので、何度か施術すると、誤魔化しが効かないボロボロでどうしようもない状態になってしまうリスクがあります。

軽度〜中度ぐらいのビビり毛なら一定期間はキレイに見せることはできますが、ヘアダメージを助長するので何度も繰り返すことはできません。いずれ髪をボロボロにしてしまう危険性を伴う対処法です。
特に猫っ毛さんや重度のビビり毛の方は、1回行っただけでも取り返しのつかない酷い状態に悪化する場合もあるので、プロの美容師さんによく相談して行うようにしましょう。

<対処法2.>ビビり毛の穴ボコを内部補強できるトリートメント等の成分で穴埋めして、誤魔化す対処法。

この対処法は、ダメージホールを穴埋めしただけではさほどチリチリの状態の形状を変えることはできないので、ブラシでのブローやアイロンスタイリングを行い、チリつきを直す必要があります。
また穴埋めした成分が出ないように強い表面コート(皮膜)を貼るので、その皮膜のせいで結合水が減少し、よりダメージしてしまい、もっと激しいビビり毛状態になる場合もあります。

どちらの対処法もビビリ毛を根本的に修復したり、ダメージを治したりするものでは無く、一時的にチリチリ状態を誤魔化すだけです。髪質・ダメージの度合いにもよりますが、施術効果の継続期間は数週間〜2ヶ月程度です。そして誤魔化し効果がなくなると、施術前よりもダメージが一層深刻化してしまうケースがあります。

これらの対処法は一定期間チリチリ状態を誤魔化す事はできますが、髪の傷みを助長させてしまいます。

何度も行っていると取り返しのつかない酷いジリジリの状態になることがあるので、プロの美容師さんとよく相談して、メリット・デメリットを検討して行うようにしてください。

では、ビビり毛になってしまった…まずはどうする?

シャンプーして普通に乾かしていただけで、ゴワゴワ・チリチリのビビり毛になってしまったら?
まず最初にやらなければいけないのは、すぐに美容室に行って、できるだけビビり毛部分をカットしてください。
チリチリの部分を許せる範囲でできるだけ切るのが重要ですが、ビビり毛の部分すべてが切れないようならブローやアイロンなどで自分でスタイリングがしやすい長さや髪型になるよう担当の美容師さんに相談してカットしましょう。

ビビり毛部分をカットして、ダメージが少なくなるまでの期間は以下の事に気をつけて下さい。

  • カットではあまり梳かないほうが扱いやすいです。
  • パーマや縮毛矯正(ストレートパーマ)は絶対にしてはいけません。
  • 通常のアルカリカラーは新生部だけ染めるリタッチカラーにしてください。
  • トーンダウンや色味の変更はヘナや塩基性などの脱色をしないもので行ってください。
  • シリコンやカチオンポリマーなどの強い皮膜は貼らないようにしましょう。

ビビり毛を完全に切るまで長期間かかりますが、上の項で書いた酸熱トリートメントや髪質改善メニュー、穴埋め系のサロントリートメントもしない方が良いです。
まずは許せるだけカットして、これ以上ダメージしないように気をつけましょう。

ビビり毛にはすっぴん髪ヘアケアが◎

結局の所、ビビり毛になったらチリついた部分を出来るだけカットし、今以上にダメージホールを増やさないように髪の傷みの原因になりそうなことに注意してください。ブローやアイロンスタイリングでなんとかチリチリを誤魔化しながら、ビビり毛部分をいずれ全部カットしてしまうまで我慢するしかありません。

ただ現在のビビり毛を悪化させないため、さらにスタイリングをやりやすくするために注意したいのが、ホームケアで使用するトリートメントやヘアケア製品です。シリコンやカチオンポリマーなどで強い表面皮膜を貼らない“すっぴん髪ヘアケア”を心がけることです。

ヘアダメージした状態の髪に強い皮膜を貼ると水分バランスが崩れ、髪の毛のケラチンを剥がれにくくしている結合水が減少してしまい、髪が乾燥し、よりダメージホールが増えてしまうからです。
ビビり毛などのダメージ毛をできるだけ上手く誤魔化すことはもちろん、もうこれ以上ダメージを進行させないためにも“すっぴん髪ヘアケア”を行うのが効果的です。

【実例】ビビり毛を誤魔化してみた

百聞は一見にしかず。実際にビビり毛をどうやって誤魔化していくのか、見てみましょう。

  • 細毛の方のヘアカラーの褪色が進み、ダメージが蓄積して軽いビビり毛状態になった状態。

細毛や猫っ毛の方は毛染めと間違った皮膜ケアの継続でも、ゴワゴワのビビり毛になったりします。
カラーの褪色や脱色(ブリーチ)で出来たカスカスのダメージホールで乾燥しています。結合水もかなり減ってミイラ化してきてます。

褪色した部分をダメージさせないため、天然のヘナ&インディゴでトーンダウンして、ホームケアで4ヶ月間ほどDO-Sシャンプー&トリートメントだけを使用してすっぴん髪にしてもらいました。

Before

After

この程度の軽いビビり毛の場合はシリコンやポリマーなどの皮膜ヘアケアをやめて、DO-Sシャンプーで皮膜を除去しDO-Sトリートメントを染み込ませて穴ボコを埋めて乾かします。このように“すっぴん髪ヘアケア”をするだけで比較的簡単にガサガサ・ジリジリを誤魔化すことができます。

  • 白髪染めと縮毛矯正や髪質改善トリートメントの繰り返しでビビり毛に

DO-Sシャンプーで何度も洗い、縮毛矯正や髪質改善トリートメントで貼られてる表面皮膜を剥がしすっぴん髪にします。

皮膜を剥がしたらDO-Sトリートメントを染み込ませ、穴を埋めながらデンマンブラシでブローします。
初日でこの程度まで誤魔化せましたので、ホームケアでも“すっぴん髪ヘアケア”を行なってもらいました。
ホームケアで1ヶ月半ほどDO-Sシャントリのみ使用してもらったら、ここまでビビり毛を誤魔化せました。このままビビり毛部分を完全に切ってしまうまで、頑張りましょう!

Before

After

  • 2〜3ヶ月おきに髪質改善系の某ストレートパーマを3回施術してビビり毛になり、クレームでその美容室に行ったら、某酸熱トリートメントをしてより激しいビビり毛になったお客様。

髪を濡らすとテロンテロンなので、修復不可能と判断しました。
相談の上、カットで許せるだけジリジリ部分を切り、DO-Sシャントリで“すっぴん髪ヘアケア”をしてブロースタイリングも頑張りました。
もう少し残ってる毛先のビビリ毛部分は、これからカットして無くしていきます。

間違いのないビビリ毛の対処方法

ヘアダメージが蓄積したり、美容師さんが失敗してバサバサ・チリチリ状態になるビビリ毛になってしまったら・・・

  1. あまり梳かないでブローのやりやすい髪型で、ビビり毛部分ができるだけなくなくようにカットする。
  2. パーマや縮毛矯正、酸熱トリートメントに髪質改善メニューなどはしない。
  3. 毛染めはリタッチカラーで行い、色味の変更やトーンダウンは脱色をしないヘナや塩基性カラー剤で染める。
  4. 今以上に症状を悪化させない為に、表面皮膜を除去し、“すっぴん髪ヘアケア”を行う。
  5. それでも残っているビビり毛部分はブローやアイロンで頑張ってスタイリングして、誤魔化す。

これらの対処法を行いながら、マメにカットしてビビり毛の呪縛から脱却しましょう。

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