すっぴん髪・素髪のヘアケア
ヘアトリートメントで髪は傷む!?
「トリートメントで髪が傷む」という提言は、美容師さんをはじめ一般の方にもかなりのインパクトがあったようです。
では、どうしてトリートメントで髪が傷んでしまうのかお話していきます。
あるお客様のケースをご紹介しましょう。無添加の高級オーガニックシャンプー、ダメージ修復専用のトリートメントを使用。お風呂上がりには数種類の洗い流さないタイプのトリートメントや保湿ミスト、天然100%の椿オイルもつけています。そして毎月必ず通っていただき、ヘアカラーやパーマをしたら必ずダメージを予防&補修するために髪質改善トリートメントをしていただいていましたが…残念なことに…かなり傷んでいるのです。毎回さいなまれる、言葉では表現できない無力感…。
当時筆者のサロンでは、店長らが主導して勉強会を行っていました。各メーカーさんにお店に来ていただき、薬剤やサロントリートメント、ヘアケア製品などの講習を行います。その際には若いスタッフ達がモデルになるんですが…モデルになった美容師の髪がボロボロに傷んでいる…。
新しいサロントリートメントが出来る度に講習を行います。当然美容師がモデルになって、施術します。美容師にはブリーチやパーマなどでダメージしてる人が多いのですが…どのサロントリートメンに対しても「あのダメージ毛がこんなに綺麗になるなんて、素晴らしいトリートメントですね!採用します!早速お客様にオススメします。」と店長が称賛していたことが引っかかっていました。
モデルになったスタッフの髪はやればやるほどボロボロになっていきました。
ここで初めてヘアトリートメントで髪が傷んでいることに気づきました。
そこで毎日観察できる自店のスタッフで、実験・検証を繰り返すことによって違和感の原因を発見しました。
サロントリートメントをすると数日〜数週間は綺麗になりますが、その効果が無くなると確実にトリートメントをする前よりモダメージが増えているのです…
なぜトリートメントでヘアダメージするの?
筆者には20歳ぐらいの頃から、毛髪理論や薬剤知識を教えてくれる某大手メーカーの開発者の師匠がいました。
約35年前、当時ブロー式のMr.ハビットという縮毛矯正が流行っていて、いま振り返ると強烈な髪質改善メニューでした。
施術直後はツヤツヤのサラサラになるのですが、数ヶ月後はボロボロのダメージ毛になる方が増えていました…
そこで、このMr.ハビットっていう縮毛矯正のダメージをなんとかしようと師匠と検証・実験を繰り返す中で、ダメージの原因がトリートメントにあることが分かってきました。当時はヘアダメージの原因として、大きく2つが定義されてました。
- ヘアカラー・パーマ・縮毛矯正などで起こる薬品による損傷
- アイロン火傷やドライヤー、ブラッシングによる物理的損傷
この時、従来の2つのヘアダメージの原因とは違う第三の新しいヘアダメージを発見したのです。
当時の縮毛矯正には「カチオン系ポリマー」というものが使われていて、髪の表面になかなか取れない皮膜を貼ってコーティングすることで、ツヤや手触りを良くしていました。この強い表面コーティング(皮膜※1)が第三のヘアダメージの原因になっていたのです。
※1…髪の皮膜・被膜とは?どちらも髪の表面にあるキューティクル部分に樹脂などのポリマー(化合物)やシリコンなどを付着させ、表面コーティングしてツヤや手触りを良くすること(もの)。
髪の命!と言われる「結合水」
髪はドライヤーでいくら乾かしてもアイロンで加温しても、乾燥パスタみたいに乾ききってポキっと折れたりしないで柔軟性がありますよね。これは髪に水分があるからなんです。
健康な髪の毛は普通に乾燥した状態でも11〜15%程度の水分を含んでいるといわれてます。
その水分量の約半分は「結合水」といって髪の組織と強く結合していて、そう簡単には水分は出ていきません。
この結合水があるお陰で、いくらドライヤーで乾かしても5〜6%程度の水分が残るので髪はミイラ化しないですし、結合水が髪の組織(ケラチン)同士を強く結合させてくれているので、ヘアダメージでも髪の組織(ケラチン等)が流れ出るを防いでくれているのです。
結合水 = 髪の水分維持とケラチンの流出防止によるダメージホールの抑制
このような重要な働きがあるので 結合水は髪の命 と呼ばれていて、結合水の減少がヘアダメージに大きく影響することが分かったのです。
ヘアダメージで最も大切にしなければいけない髪の命といわれる「結合水」。
ヘアカラーやパーマ、縮毛矯正の薬剤などで減少し、アイロン火傷やドライヤー、ブラッシングなどでも流出してしまいます。ここまでは従来のヘアケア理論でもよく言われてましたが、新たに縮毛矯正や髪質改善などが登場したことにより、新しい結合水の原因が見つかったのです。
表面コーティングによる結合水の減少
Mr.ハビットの髪をツヤツヤにする最強特殊ポリマーや、トリートメントのカチオン系ポリマーやシリコンなどが髪の表面に強力な皮膜を貼り、その表面皮膜でキューティクルによる髪の水分調整が上手く機能しなくなり、髪の命と言われる「結合水」を減少させるのです。
この理論は専門的でとても難しいのですが、わかりやすいイメージでいうと…
皮膜でキューティクルが開かなくなり、水分が髪に長く残りふやけてしまうという感じです。
すっぴん髪は結合水を減少させない
師匠と縮毛矯正の薬剤反応の研究をし、トリートメントでダメージしたスタッフで皮膜後のケアの実験・検証を行った。
ヘアダメージを少なくするには結合水を減らさないようにする。
結合水を減らさないようにするにはキューティクルを皮膜で覆わない。
それが「すっぴん髪ヘアケア理論」。
このヘアケア理論を分かりやすく女性のメイクで例えると…
シャンプーは洗顔剤、トリートメントやコンディショナー、リンスはファンデーションです。
どんなに洗顔しても10日間は絶対に取れないファンデーションがあったらどう思いますか?
何日間もファンデーション塗りっぱなしだとお肌ボロボロになりそうですよね?
実は髪の毛も同じなのです。
ヘアトリートメントで髪が傷むのは…髪の表面を強力コーティングするからなのです。
世の中には強力表面コートが溢れています
髪に強い表面皮膜を貼ると水分調整が上手くいかず、「結合水」が減少しダメージホールが出来たり、髪が乾燥してボサボサになりダメージしてしまいます。
髪を本来の状態に戻す「すっぴん髪ヘアケア」は、表面皮膜をしっかり取り除き、キューティクルを正常に働くようにします。
しかし当時の美容業界では、高分子ポリマーでツヤツヤにする縮毛矯正や髪質改善が流行り、シャンプーは無添加アミノ酸系の超マイルド、トリートメントはシリコンで皮膜を付けるものでした。
ツヤサラで手触りが良いほど傷んでない髪である!
ほとんどのメーカーさんがこの考え方なので、世の中どんどん強力な皮膜だらけになります。
そして知らず知らずのうちにダメージヘアの人が大増殖してしまいました。
このようなヘアケア商品を化粧品に例えると…
- シリコン・ポリマー配合シャンプー
- ツヤと手触りの良い皮膜入りシャンプー
- ファンデーション入りの洗顔剤
- アミノ酸系マイルドシャンプー
- オーガニックや無添加シャンプー
- 洗浄力の非常に弱い洗顔剤
- シリコン・ポリマー配合トリートメント
- ツルピカが持続するトリートメント
- 取れにくい強力ファンデーション
※トリートメントにはコンディショナー、リンスや、お風呂上がりに使用する洗い流さないタイプのトリートメントやアウトバストリートメントなども含みます。
ファンデーションが入った洗顔剤なんて…考えられません。
取れにくいファンデーションをとっても弱い(優しい)洗浄力の洗顔剤で洗うので、どんどんファンデーションが残留してしまいお肌ボロボロになってしまいます。
すっぴん美肌には、ちゃんと洗える洗顔剤 と スッキリ落ちるファンデーションが大切です!
普段でもトリートメントはしない方が良いの?
多くの方は、今まではヘアトリートメントというものは髪に良いもの、ヘアダメージを治すもの、と考えられていますが…、ツルピカになるトリートメントの表面皮膜で髪の命「結合水」が減り、髪にダメージを与えてしまいます。
「普段シャンプーした後もトリートメントをしない方が良いのか」というご質問をいただきますが、すっぴん美肌には、ちゃんと洗える洗顔剤とスッキリ落ちるファンデーションが大切なのです。
まず現在のダメージ具合を軽くご説明します。たとえばシリコンやポリマーなどの皮膜成分の入っているシャンプーを使用した場合ですが、櫛通り・指通りもよくサラサラで問題なくスタイリング出来るような状態ならトリートメントなんてしなくて良いです。
※アミノ酸系のマイルドシャンプーやシリコンやポリマー等の皮膜成分入りシャンプー、リンスinシャンプーなど、ツヤサラで手触りの良いシャンプーはそれだけで結合水を減らし髪を傷めてしまいます。
しかしヘアダメージがあってトリートメントやリンスをしないと、髪がもつれたりギシギシで指通りが悪い場合は、摩擦等でキューティクルが損傷し髪が傷んでしまいますので、こういう場合は髪の滑りをよくするトリートメントをした方が髪のダメージが少ない場合もあります。
結局はシャンプーするのもトリートメントするのも、どちらも髪を傷める事なので、ダメージ毛の方の場合は、トリートメントしないで髪が絡れたりして摩擦でダメージするのと、トリートメントの皮膜でダメージするのとどちらをとるかということになります。
たとえば…
- ダメージの多い方がシャンプーすると髪同士の摩擦でキューティクルが損傷する、これで毎回70ポイント程度傷むとします。この方がトリートメントすると摩擦でのダメージが減って60ポイント少なくなり、トータルダメージは10ポイント程度になります。
この方のケースならトリートメントしたほうがダメージは少なくなります。
- 健康な髪でシャンプーしたぐらいじゃ絡まったりキューティクルの損傷がほぼ無い方の場合なら、シャンプーだけでのダメージは10ポイントだとします。
そしてこの方もトリートメントの皮膜でのダメージが1回あたり30ポイントあるとしたら… シャンプーとトリートメントした場合のダメージは、10+30で40ポイントになります。
この方のケースならシャンプーだけでトリートメントないほうが良いです。
- オーガニックな優しいアミノ酸系やシリコンやポリマーでシャンプーだけでツヤサラになるようなシャンプーを使用してる方はシャンプーだけでも皮膜ダメージも加わり40ポイント傷みます。
そしてこの方が皮膜トリートメントすればもっと強い皮膜ダメージで30ポイント追加されます。
この方の場合はシャンプーだけでも手触りが良くその時は傷んだ感じはしませんが、トリートメントしようとしまいと徐々に皮膜ダメージが蓄積されてしまいます。
このようにトリートメントしたほうが良いのか?悪いのか?は髪質やダメージ具合,使用してるシャンプーによって変わってくるのです。
唯一無二のすっぴん髪DO-Sシャントリ
これまで書いてきたように、髪を傷めるのは表面コーティングをする皮膜なんです。
この皮膜成分にもシリコンやカチオン系ポリマーなど沢山の種類があり、トリートメントだけではなくシャンプーなどにも使用されています。
その効果もサロントリートメント(美容室でする特殊トリートメント)のように数週間程度コートする強力なものから、普段家庭で使うシャンプーやトリートメント、コンディショナー、リンス、アウトバストリートメント等に含まれる数日間程度持つものまで、様々な種類があります。
ダメージした髪をなんとかしたい!髪の傷みを予防したい!
そのために、縮毛矯正や髪質改善などの各種薬剤メニューのポリマー皮膜を早く取り除いて、残留薬品やアルカリなどを除去し、表面皮膜を落としてすっぴん髪にしてダメージを軽減するシャンプーとトリートメントの研究開発に取り組みました。
「皮膜なんて洗浄力の強いシャンプーで剥がせばいいじゃん!」なんて思いがちですが…実はこれが結構難しい事だったのです。
シャンプーの洗浄力を強くしただけではカチオンで吸着したポリマーやシリコンはあまり取れませんし、単純に洗浄力やアニオンを強くするとキューティクルを損傷させてしまう…ポリマーやシリコンはしっかり落としつつ、バランスの良いシャンプーの開発を追求しました。
トリートメントは表面皮膜を貼らないだけでなく、染み込んでダメージホールを埋め髪を綺麗に見せて手入れしやすくしないといけないのですが、べったり重たくしてはいけません。
シャントリを検証するには、一つの製品に2〜3ヶ月を要するので、開発に長い期間を必要としました。
そして3年以上の年月をかけ…すっぴん髪・素髪ヘアケア専用のちゃんと洗えるシャンプーと皮膜をしない染み込むトリートメントであるキアラーレ DO-Sシャンプー&トリートメントが完成しました。